ステージアライブ─舞台の感動を言葉で届ける─ スタートに寄せて
幼い頃から私の生きてきた道のりは観劇と共にありました。ミュージカルの舞台になるような波乱万丈の半生では全くありませんが、それでも毎日の生活には悩むこと、苦しいこと、辛いことがあるものです。そうしたすべてを劇場の客席に座り、非日常に連れていってくれる3時間が、忘れさせ、励まし、背中を押してくれました。「コスパ」「タイパ」という言葉が最優先になりがちないまの時代、時間もお金も使ってひとつの場所に集った人だけが感受できる舞台芸術の世界は、決して敷居の低いものではありません。でもだからこそ、同じ空間を共有した時だけに感じられるLIVEの醍醐味、舞台観劇の喜びは何ものにも代えがたいものだと信じています。
そんな“好き”が嵩じて演劇評論、ライターの道に足を踏み入れて気づけば長い時間が経ちました。いまの熱量でいつまで書き続けられるのか?という自問自答もはじまるなかで、これからの時間を、舞台の素晴らしさ、その感動をひとりでも多くの方に文章で、言葉で届け、これまで舞台からいただいてきたたくさんの活力を少しでもお返しすることに使いたい、との思いが固まっていきました。
その発信場所として「ステージアライブ」をスタートさせていただきます。観劇レビュー、インタビュー、様々な最新舞台情報を柱に、これまで同様「酷評するなら書かない」をモットーに、舞台に携わるすべてへの方々へのリスペクトをもって、愛ある原稿を書き続けていきたいと願っています。また私は世にいう「ネタバレ」という言葉が大変苦手です。あらすじも入れずに舞台をご覧になりたい、という方には不向きな原稿があるかもしれません。ただ決定的な結末や、ここが肝心だというところには決して触れずに、この先が知りたいと思える原稿を書くことも、もうひとつの信念ですのでご理解賜れば大変嬉しいです。
ありがたいことに賛同してくださる方々が早くも手を挙げてくれていますが、基本は橘が回していく場であること。また、観劇を1度もしたことがない、という方にも舞台の感動を届けたいという趣旨から、全ページ、全文無料公開を基本としております為、予算に極めて限りがあるなど、至らないことも多々あるかと思います。ご寛容の上、どうぞ長い目でご声援いただければ幸いです。
これまでお付き合いをいただいてる演劇界の皆様には、今後も同様のお付き合いを伏してお願いすると共に、演劇愛を通じて新たなご縁が広がることを願い、開設のご挨拶とさせていただきます。
舞台芸術と共にある毎日の幸福を、ひとりでも多くの方と共有できますように。
2026年4月吉日
「ステージアライブ」編集・執筆 橘涼香



