
1970年代のベトナム戦争末期に、生まれた家と家族を戦禍で失い、たった一人で首都サイゴンに逃げてきた少女・キムと、間もなくベトナムを離れる米兵のクリスが出会ったことから起こる、過酷な運命の変転を、美しく多彩な音楽とダイナミックな装置を駆使して描いたミュージカル『ミス・サイゴン』が、2022年の帝国劇場公演以来4年ぶりとなる幕を10月東京・東急シアターオーブ公演を皮切りに全国で開けることになった。
『ミス・サイゴン』はミュージカルの歴史に燦然と輝く『レ・ミゼラブル』を生み出したクリエイティブチームによるミュージカル第二弾として製作され、1992年には帝国劇場で1年半のロングラン上演という、東宝ミュージカルとしてはかつてない形での日本初演が実現。すべてを歌で表現するオペラティックな作風、実物大のヘリコプターが舞い、キャデラックが登場するなど、当時の一大ムーブメントだったメガ装置による迫力ある作風が一世を風靡した。今回の舞台はこの初演から30周年を記念した前回公演から4年、残念なことにその頃以上に戦争の影が色濃くなっているいま、より多くの示唆を含む、『ミス・サイゴン』のドラマが客席へと届けられるだろう、大きな期待が寄せられている。
そんな2026年バージョンの稽古が急ピッチで進む9月19日、都内で公開稽古が行われ、新たなメンバーによる作品の一端がその姿を現した。

雨続きの東京だが、この日は微かに晴れ間がのぞいたかと思うと、またいまにも降り出しそうな黒い雲に覆われるという不安定な空模様。けれども一歩稽古場に足を踏み入れると、発声練習や、ストレッチをする俳優たちの熱気で、本番を彷彿とさせるセットが組まれた広い稽古場が、手狭に感じられるほど熱気が充満している。そのなかを、飲み物のカップを持ちながらスーッと横断していく美丈夫な姿にふと目を引かれ、それが今日の公開稽古では場面披露に参加しない甲斐翔真だったのにびっくりしていると、その奥では必死に歌詞とメロディーを反芻し続けている歌唱披露でクリスを務める小林唯がいて、全くイメージだけの話で恐縮ながら、なんだかとても互いが互いらしくて微笑ましくなる。一方今回の上演で初めてエンジニア役を務める桐山照史が、同役としてのキャリアが最も長い駒田一と記者が集まっている方向を見ながら、熱心に話しこんでいる傍を、2022年公演に続いてエンジニアを務める東山義久が、この人の常で、動きから既にダンスのような軽やかさで悠然と通り過ぎていくなど、それぞれがとても自然体。これは稽古の進捗状況が快調なのに違いないな、との期待が高まったところで公開稽古がスタートした。
【公開稽古1】
★「世界が終わる夜のように」

はじめは単独の場面として、作品内でも特に著名なキムとクリスのデュエットナンバー「世界が終わる夜のように」がキム・屋比久知奈、クリス小林唯のコンビで披露される。
サイゴン陥落が目前に迫る中、ある意味出会ってしまったキムとクリスが、それぞれが置かれた立場も、ギリギリの状況もひと時忘れ「たとえ世界が終ろうとも、二人の愛は変わらない」と歌い上げる。あくまでも甘く美しい旋律が、燃え上がった恋の炎によって、どんな困難も乗り越えられるという、哀しくも美しい夢のなかに二人が引き込まれていく様を浮かび上がらせていく。そんなナンバーを屋比久と小林が熱く歌い演じ、記者席からはうっかりカメラを伸ばすと、当たるのではないかと錯覚するほどの至近距離なだけに、どこかで、ここ全部写真を撮っていていいのだろうか……と、やや動揺したほどの二人の熱演と熱唱にただただ圧倒された。

【公開稽古2~4】
セットをチェンジして、続いた公開稽古では3場面が続いて披露された。

★「ガンダンス・セクション」
サイゴン陥落から三年後、ホーチミン市と名も改まり、ベトナム統一による社会の劇的な変化を現した兵士たちの力強いダンスシーン。ドン!という足音だけでビクッとするような大迫力のなか、アンサンブルメンバーによるマスゲームの要素も大きな迫力のダンスシーンが展開されていく。

★「生き延びたけりゃ」
そんな新体制の象徴のダンスが勢いよくハケていくと、駒田一演じるエンジニアが登場。米兵相手の商売で成功していたエンジニアの立場は、新体制下では非常に厳しいものとなっているが、そのなかでもしたたかに生き延び、アメリカに渡るチャンスを虎視眈々と狙うエンジニアの飽くなきエネルギーと執念を表したナンバー。ユーモラスな身体表現があるからこそ、余計に鋭さ、怖さを増して底光りする視線を持つ、駒田ならではの表現が炸裂したシーンになった。

★「命をあげよう」
公開稽古の最後の楽曲は、1幕ラストを飾るキムの大ナンバー「命をあげよう」。クリスとの子であるタムを守る為ならば、自らの命さえ惜しまないという、キムの母としての覚悟と無償の愛が歌い上げられる。この日のキムは新キャストの清水美依紗が務め、タム役の少年を見つめる優しさと、後半に向かって迫力を増していく歌声が、稽古場中に響き渡った。


いずれのナンバーの終わりも、記者席はもちろんのこと、共演のメンバー、スタッフからも大きな歓声と拍手が贈られ、公開稽古は一気呵成に終了。
その熱い空気が残ったままの稽古場に、エンジニア役の駒田一、東山義久、桐山照史。キム役の屋比久知奈、清水美依紗、ルミーナ。クリス役の甲斐翔真、小林唯。更に演出のクリストファー・キー、振付補のリチャード・ジョーンズ、音楽監督の山口琇也が登壇。囲み取材でそれぞれの意気込みと公演への抱負を語った。
【登壇者挨拶】

駒田 本日はどうもありがとうございます。エンジニア役の駒田一でございます。『ミス・サイゴン』は約35年前に日本で初演されました、世界でもトップクラスのミュージカルでございます。今回の稽古がはじまって約1ヶ月ですが、順調すぎるぐらい順調に進んでおりまして、50人ぐらい新しいメンバーがいるカンパニーなのですが、みんな前からやっていたんじゃないかというほどです。そして優秀なスタッフの皆様と一緒に、この稽古場には常時100人ぐらいの人がいるので、いつも空気が薄いです(笑)。秋も深まってきていますが、この稽古場内は本当に熱く、熱く進んでおりますので、皆様の前にもとても素敵な作品をお届けすることができると信じております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

東山 皆様、お忙しい中お集まりくださりありがとうございます。エンジニア役の東山義久です。前回、作品の30周年という大切な節目の時に、エンジニア役をいただきまして、4年ぶりの今回になります。はじめさん(駒田)もおっしゃったように、半分くらいの方が新しいということなのですけれども、まだ稽古は1ヶ月少しくらいしか経っていないのに、前からやっていたかのような熱気なので、2026年ならではのこのカンパニーにしかできない『ミス・サイゴン』になっていくと思います。 僕も初めましてなのですが、演出のクリスさんと共に、2022年に演じた自分のエンジニアを再構築して皆様にお届けしたいと思っております。最後までよろしくお願いします。

桐山 初めてこのカンパニーに参加させていただきます。エンジニア役を務めます桐山照史です。よろしくお願いします。全てが初めてなんです。こういう現場もそうですし、僕は自分の役を他の人が演じられている(複数キャストでの)稽古を見るというのも初めてで、すごく新鮮に稽古をさせてもらっています。演出のクリス、振付補のリチャードが、本当に丁寧にひとつずつ教えてくれているこの稽古場をしっかりと務めて、最高の『ミス・サイゴン』をお届けできるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。

屋比久 キム役の屋比久知奈です。4年ぶりにまたこの作品にキムとして参加することができてとても幸せです。クリスが演出に入ることですごく新しい景色がすでに見えているので、精一杯積み重ねて頑張っていきたいと思います。

清水 キム役の清水美依紗です。大切な素晴らしい作品に参加することができて本当に嬉しいです。これまでも参加されている皆さん、初めて登場している皆さんの双方からたくさんの刺激を受けながら頑張っております。このメンバーと一緒に精一杯務めたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。

ルミーナ キム役のルミーナと申します。本当に素晴らしいキャストの皆様方とご一緒に、キムとして存在できることを幸せに思っております。精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。

甲斐 皆様本日はありがとうございます。クリス役の甲斐翔真です。稽古場公開と言いつつも、本番のような空気感で僕も観ていたのですが、稽古を共にしている皆様が気合いを入れてパフォーマンスをしている姿に、改めて誇りを持てる時間でした。皆さんいま観ていただいたと思うのですが、本当に素晴らしいキャスト、スタッフの皆様と一緒に、この『ミス・サイゴン』を最後まで、皆様の目に届く時まで、磨いて磨いて凄まじい作品にしたいと思っています。是非ぜひよろしくお願いします。

小林 (様々な作品に引っ張りだこの小林唯さんと紹介されて)小林です、引っ張りだこです(「自分で言う?」「いやいや間違いなく引張りだこだよ」とキャストが口々に言う)。『ミス・サイゴン』とクリスは本当に憧れていた作品と役で、刺激的な稽古の期間を楽しく過ごさせていただいております。翔真くんと二人でね、身長は差があるんですけど(笑)僕は僕で頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

クリス コンニチワ。『ミス・サイゴン』をはじめて演出させていただくということを、とても喜ばしく思っています。日本にくるのは初めてではなくて、『レ・ミゼラブル』の演出で何回も参加させていただいてきたのですが、初めての『ミス・サイゴン』ということで、光栄に思っておりますし、自分自身も高揚しています。そしていま皆さんに、何人かのキャストの方のパフォーマンスをご覧いただいたわけなんですけれども、御覧のようにたくさんのベストメンバーがおりますので、楽しみにしていただきたいなと思っております。本当に皆さんの水準が高いです。 アリガトウゴザイマス。

リチャード クリスさんが言った通りです。またこうして日本に来日して、この作品を新たに創り上げていくということに誇りを感じております。 本日皆さんにご披露した内容を、是非広めていただけたら幸いです。アリガトウゴザイマス。

山口 初演以来30年以上携わらせていただいておりますが、今回皆さん本当によく歌えています。演じて歌って素晴らしい舞台がまた生まれると思います。是非ご覧になってください。
全員の挨拶のあとフォトセッション、続いて質疑応答の時間となった。なかで「改めて感じる『ミス・サイゴン』の魅力は?」との問いには各キャストが並び順で答えることになった。

小林 ミス・サイゴンは扱っている題材が歴史的に見てもかなり最近の出来事だと思うので、ほかと違うのが当事者の方、ベトナム帰還兵の方だったり、ベトナムの現地の方だったり、当時ベトナム戦争を経験した方がまだ多くご存命というなかでやるという、『ミス・サイゴン』ならではの緊張感が稽古場にも漂っています。その重圧だったり、プレッシャーはやはりあるのですが、すごく誇り高いことですし、役者として心地いいものでもあったりして、役者名利に尽きるってこういうことなのかなと思わせてくれる作品だなと、稽古をしていて感じます。

甲斐 この世界には色々なミュージカルがありますが、今まで出演したミュージカルのなかで、普通に舞台の上に立つということが難しい、現代に生きる自分たちの感覚で立つわけにはいかない作品だなと。だからこそ、色々な作品でも僕は意識しているのが、そこに立つ、その世界に居るということをいかに追及するかということなのですけれども、この作品は様々なことが関係していますので、それが大変に難しい。でもその深掘りみたいなところを頑張りたいなと思いますし、そこを達成した時に、きっとこの『ミス・サイゴン』という作品をいま上演する意味が生まれると思っていますので、それを追求したいなと思っています。

ルミーナ 歴史的なところもそうですし、本当にこの作品のなかでは一人ひとりの感覚が重要ですし、そのなかでも愛を持っていること、それぞれがお互いの愛をこめて、育ててきたいなと思います。

清水 先ほど観ていただいた「ガン・ダンス」を初めて見た時に、こんなに迫力があるんだと感じて。ひとつの象徴というか、あれを見た瞬間すごく鳥肌が立ったのを覚えています。1幕の通し稽古が何回かあったのですが、一人ひとりが各セクションに向き合うことによって、戦争というものにも向き合っていく。役者の密度というか、自分も役創りを頑張っているんですけど、それぞれの役創りにすごく感銘を受けて、たくさんの刺激をもらっているなと感じました。

屋比久 ベトナム戦争を扱っている映画ですとか、映像を見ていてすごく胸に迫るものがあったのですが、演劇という場で同じ題材を創っていても、そのメッセージは一致しているんですね。そこにロマンチックな楽曲が重なることで、ミュージカルとして大きな物語を描けているんだな、素晴らしい作品だなと思います。

桐山 皆さんが言ってくれた通りだなと思うんですけど、初めて稽古させていただいて、初めてカンパニーに参加させてもらっていて、いまアンサンブルさんをはじめとしたみんなが出すエネルギー、波動みたいなものがすごく来るんです。決して明るい話ではないですし、ハッピーエンドでもないんですけれども、観終わった後に何かこうグッとくるような、パワーをもらえるようなところが魅力のひとつではあるのかなと思います。

東山 僕は4年ぶりなんですけど、あの時はコロナ禍ということもあったので、なんとかしてあのカンパニーで1回、1回の公演に臨んでいく、というすごいものがあったような気がするんですね。僕も初めてだったっということもあったんですけど。それから4年経って、環境も違いますし、知りあった方たちもいるなかで、初めての照史と、ベテランのはじめさんがいる、(エンジニア役の)この三人を皆さんが本当に信じてくれて、今日もこれから稽古をするのですが、毎日の稽古で本当に乗ってくださっているんです。僕らの役ってすごいエネルギーが必要だと思うんですよね。だから毎回、毎回パフォーマンスに対して責任を持って、誇りを持って表現しなきゃなと思っています。

駒田 僕は子供の頃にベトナム戦争を見ていて、日本の首相よりも向こうの大統領の名前の方を先に覚えちゃうみたいな日々で。悲惨なことをしているんだなというのは子供心にも感じていました。それがまさかこんなミュージカルになるなんてと、初演時に感動したんです。それが何だったのかなということには色々なものがあると思うんですけれど、皆さんがおっしゃっていた音楽の素晴らしさや振付や、装置など、そのエネルギーがすごいので、ビリーさん(※音楽監督の山口の別名義ビリー山口から)がよくおっしゃっているんですけど、普通のミュージカルより少し(音域が)高いんですよ。それがどんとくるのが、裏を返せばもっと大変だ、もっとやらなきゃいけないということになる。それが観ているお客様にエネルギーとして、感動として伝わっているのかなというのを、演じる側として感じた作品になったんです。だから、こういうことは一人では何もできなくて、みんなで作らなきゃできないことなので、いままでよりももっといいものができるんじゃないかな、『ミス・サイゴン』はもっと良くなるんじゃないかなと信じてやっております。
またクリエイターには、日本カンパニー全体の魅力を問う質問があった。

クリス 先ほど、どなたかから、すごいペースで稽古が進んでいるというお話があったと思うんですけれども、それは皆さんの努力の賜物だと思っています。稽古が終わっても残って、また稽古がはじまる時間よりも早く稽古場に入って、様々な確認をしている姿を頻繁に見ます。また物語が語っていることに本当に真摯に向き合ってコミットしてくださっている、誠実に役に、作品に向き合ってくださっています。ですから我々もキャストの皆さんも、できるだけ楽しく正確にこの物語を語りたい、届けたいという思いがあるのが共通している部分かなと思うので、劇場にお客様に来ていただき、それをご覧いただければと思います。
リチャード 本日ご覧いただいたように、キャストの皆さんが献身的に、また全身全霊で頑張ってくださっているので、良い作品を創りたいというものが皆さんのなかにあります。もちろん音楽、演出、衣装などの皆様も、非常に高い水準を保って作品に取り組んでくださっていますから、わたしはいつも日本に来て作業することを、特に楽しみにしています。素晴らしい作業が続いていくことを確信しています。
山口 シェーンベルクさんの油が乗り切ったとき、全てがうまくいっている時に作っていらっしゃる楽曲らしく、駒田さんもおっしゃいましたが非常に音域が広いんです。本当にこんなに高い音を出しているんだぞ、とお客様に説明したいぐらい大変なんですよ。ただそれに言葉をのせて、本当に皆さんうまく歌っていらっしゃるので、今回の稽古を見ながら、日本初演で岩谷時子先生と一緒にこの歌詞を作ったなとか、このメロディーにどうにか日本語を載せなくちゃいけないということで、一週間ぐらいかかったな、など、どんどん昔のことを思い出すんです。その言葉を皆さんが本当に大切に歌ってくださっているのでとても嬉しいです。やっぱり音楽の持っているエネルギーとか、メロディー自体にある表現は世界共通のものだということを認識しながら、英語と日本語のちょっとした違いなどを、今回本当に細かく説明しているので、どんどん良くなっているという時間が流れています。

その後、エンジニア三人の互いの魅力を問われると駒田が「過去のことはあんまり言えないのですが」と笑わせながら、」「この三人、仲が良すぎるぐらい仲が良い」と語ると東山が「年齢的には長男(駒田)、次男(東山)、三男(桐山)なんだけれど、長男(駒田)、次男(桐山)、三男(東山)くらい」と桐山の初役とは思えない落ち着きぶりを表現すると、「音楽がずっと鳴っている(オペラティック)ミュージカルからして初めてなんで!」と桐山自身は二人から学ぶことばかりだと強調。「二人の優しすぎるお兄ちゃんたち、東山さんはジャックナイフのようで、はじめさんはエンジニアのピリッとしたものに、コメディー力を使い分けているのがすごい」と二人へのリスペクトを語り「残りの稽古期間で自分だけのエンジニアを見つけていきたい」との抱負を述べた。

また、クリスとキムは様々な組み合わせがあるが、そのなかでの発見は?という問いに、ルミーナがおそらく目線の高さが異なることを言おうとして、二人のクリスの身長差に言及すると、小林が「そう、僕らは身長が違うから、キムは三人とも同じ背格好だけど……」とこだわりはじめ、何かと話が身長差に戻っていく展開に、笑いが広がる。
そのなかで甲斐が「身体的な接触が多い作品なので、互いのコミュニケーションが大事になってくるけれど、お互いにたくさん会話をして自然にそれができている」「全員に作品に対しての真面目さがあって、仲が良くて良かった」と、この作品のキムとクリスを演じる上で必要不可欠だろうな、という部分にも言及してくれた。またキムとクリスのなかで唯一の作品経験者の屋比久の存在感、説得力が桁違いで、キムそのものとの言及もあり、屋比久が仕切りに恐縮しながら、感謝を述べていた。

この時点で当初の予定時間をオーバーしていた為、最後の質問を簡潔にとの要望付きのなか、演出のクリスに想いの丈はあると思うが、時間がないとのことなので、キャスト全員の魅力を「ひと言」で教えて欲しいという質問が飛び、キャストたちが「えっ!?ひと言で!?」と驚くなか、クリスから「こういう質問があるかもしれないと思っていたので、全てポジティブな意味で捉えてください」という言葉と共に、それぞれへの「ワン・ワード」が贈られた。

☆ルミーナ
Soaring「天高く舞い上がる」
☆清水美依紗
Luminous「発光する、輝く明るく照らす(の意味の)ルミナスです」
☆屋比久知奈
Truth「実直、誠実です」
☆桐山照史
Mercurial「機知に富んだ、豹変する、機転がきく」
☆東山義久
Visceral「本能的、直感的」
☆駒田一
Masterable「熟練した匠」
☆甲斐翔真
Subtle「いい意味での繊細さを持っている」
☆小林唯
Powerful「力強さ」
見事なワン・ワードに大きな拍手が贈られ、エンジニア三人から改めて作品への意気込みが語られて、稽古場公開は終了。盛沢山な内容に、本番への期待が高まる時間だった。
【公演情報】
ミュージカル『ミス・サイゴン』
オリジナルプロダクション製作◇キャメロン・マッキントッシュ
作◇アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
音楽◇クロード=ミッシェル・シェーンベルク
製作◇東宝
出演◇
エンジニア:駒田一 / 東山義久 / 桐山照史
キム:屋比久知奈 / 清水美依紗 / ルミーナ
クリス:甲斐翔真 / 小林唯
ジョン:チェ・ウヒョク / 金本泰潤
エレン:エリアンナ / 加藤梨里香
トゥイ:岡シモン / 吉田広大
ジジ:則松亜海 / 藤森蓮華
タム:櫻田季大 / 鈴木琥隆 / 寺内颯 / 原田菜央
伊藤広祥 / 伊藤稚菜 / 岩﨑巧馬 / 植木達 / 江口颯人 / 大久保徹哉 / 小形さくら / 柿内アリマ / 笠行眞綺 /
河本佳佑 / 木村つかさ / 工藤彩 / 小林遼介 / 小林良輔 / 近藤真行 / 今野晶乃 / 齋藤信吾 / 坂本皓 /
佐渡海斗 / 鈴木大菜 / 鈴木満梨奈 / 仙名立宗 / 高瀬育海 / 髙田実那 / 田中奏 / 田中啓介 / 茶谷健太 /
土屋神威 / 常川藍里 / 土倉有貴 / 中嶋尚哉 / 早川一矢 / 深堀景介 / 古川隼大 / 三浦優水香 / 光由 /
森田茉希 / 安井聡 / 横田剛基 / 蘆川晶祥
●2026年10月16日(金)~11月29日(日)◎東京・東急シアターオーブ
※10月16日から22日まではプレビュー公演。
●2026年12月5日(土)~17日(木)◎大阪・梅田芸術劇場 メインホール
●2026年12月24日(木)~27日(日)◎福岡・福岡市民ホール 大ホール
●2027年1月8日(金)~11日(月・祝)◎静岡・アクトシティ浜松 大ホール
●2027年1月17日(日)~24日(日)◎北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
【取材・文・撮影/橘涼香】














