
宝塚月組のトップスターとして、都会的でスタイリッシュな持ち味で宝塚に新たな風をもたらし、一世を風靡した真琴つばさ。退団後も舞台、LIVE、テレビ出演等など、様々な活動を展開している。そんな真琴が退団後25周年を記念して、8月、9月、11月にそれぞれテーマの異なる三つのLIVEを開催する。
その非常に精力的なスケジュールに臨む真琴が、三つのLIVEそれぞれのコンセプトや、宝塚退団後の25年間で感じた、自身が目指すものや、歌に対する取り組みなどを語ってくれた。

いまの自分に衣替えをしていく
──宝塚退団後25周年記念ということで、今年8月から三つのLIVEが予定されています。
本当に、年の後半に集中して三つLIVEをする、なぜここまでハードなスケジュールを組んだ?と未だに自分に問いかけそうなのですが(笑)。今年は宝塚を退団して25年の間に出会えた方々とのご縁を大切にしたい、という気持ちがあったところにご縁のあったミュージシャンの方と会場の日にちがハマったんです。プレッシャーもありましたが、スタッフも背中を押してくれて、やってみようと思いました。最初はピアニストの方から決まったのですが、原宿の「ラドンナ」でパーカションやギターの音色も響かせたい、秋にはサックスも、とイメージが広がったら、他のミュージシャンの方も参加して下さることになり、よりイメージが広がりました。
──そのコンセプトについてお伺いしたいのですが、
まず8月が『Seasonal Live vol.1~海辺と日差しとボサノバと~』というタイトルです。
ピアノとギターとパーカッションは、私にとって初めてのコンビネーションですが、ピアノの川嶋フトシさん、パーカッションの片田孝一郎さん、ギターの沢頭尊志さん、それぞれこれまでにお世話になってきた方たちです。このメンバーで夏といえばボサノバもいいな、という気持ちと、夏の日差しと海辺の明るさを感じられるような楽曲を多くお届けできたらと思います。実は、退団して初めてのコンサートで夏メドレーをすごく頑張って作ったので、記念の年ですしもう一度やろうと思い先日かれこれ20年ぶりくらいにビデオを見返したら、あまりにも攻めすぎていて(笑)。経験を重ねたいまの自分らしさは、このままでは出ないなと思い直しまして、これをヒントに、いまの自分に衣替えをしていくときなのかなと。
──素敵な表現ですね!
過去の自分をもう1回やりたいのではなくて、その自分にエネルギーをもらって、いまの自分にアップデートしたものを観ていただけたらと思っています。
──とても楽しみですが、そこから9月が『 Seasonal Live vol.2~月夜とJazzとシャンソンと~』
ジャズもシャンソンも「待ってました!」ですね。
本当に多くのご縁をいただていますし、ジャズに取り組んだことで、自分のなかでは英語への恐怖心が少しなくなってきたかな、というところでもあります。でもお客さまに気持ちを届けやすいように日本語を中心に、大人の女性らしく馴染みのある曲をお届けしようと。
──聞いてすぐにあの曲だ!とわかるような楽曲ということですね?
そうなるといいなと思っています。この9月はピアノの三枝伸太郎さんと、サックスの丹澤誠二さんにご一緒していただくので、とてもメジャーな曲を、ピアノとサックスが響く大人のアレンジでお送りする面白さを楽しみにしていただきたいです。ただ、シャンソンもジャズもメインにしたい曲がありすぎて、それは嬉しい悲鳴ですね。曲選びが1番大変です。

──構成されるときには、何を大切にされるのですが?
私はLIVEで歌うことに何かをプラスアルファしたくなるんですよ。お芝居をするというわけではないのですが、ひとつのLIVEをひとつの物語にしたい。自分のなかにストーリーを創りたいんです。ですからまずそのストーリーにあっていて、かつ歌いたいものを厳選していくのですが、やはり自分の目や、感性だけで選んでしまうとどうしても狭くなるので、周りの人に「どう思う?」と意見を聞くように心がけています。ただそうすると、更に曲が増えてきたりするのがね(笑)。それから例えばシャンソンでエディット・ピアフがオリジナルの楽曲だったら、ピアフご本人ではなく、カバーしている方の歌をたくさん聞きます。膨大にあるんですけれども、ご本人じゃない方が歌ったときにどう聞こえるか、を参考にします。特に女性の曲を男性が歌うと全く違って聞こえるので、自分が歌うとどんな風に聞こえるのか、譜面を自分用に自分で写譜してピアニストの方に実際弾いていただいて、歌ってみてと、ひとつの曲を選ぶのに、とても時間がかかって。
──それをこの期間で三つというのが、いかに大変なことかがよりわかってきました。
越路吹雪さんのトリビュートコンサートへもご出演になっていらして、
真琴さんのアルトの響きがシャンソンにぴったりですよね。
宝塚を退団した元男役の方は、女性の音域に戻す方が多い中、わたしは全くそこにいかなかったんです(笑)。ひたすら低音を磨いてきたのが、確かにシャンソンとの出会いにとっては良かったのかなと思いますし、それが自分の選んだ道なんだなと。
──どんなシャンソンやジャズが聞かせてもらえるのか期待が膨らみますが、
そこから11月は丸の内COTTON CLUBでの『Birthday Live』、三日間の開催ですね。
COTTON CLUBとのご縁は、ミュージカル俳優の福井晶一さんがやはり11月生まれでいらして、11月にBirthday Liveをするので一緒にやりませんか?とお声がけくださった2023年からで、その後私もソロで毎年させていただくようになりました。二日間というのはこれまでにもあったのですが、三日間は初めての挑戦で、やはり三日間少しずつ色を変えていきたいと思っているので「さぁどうする?」というところなのですが。今回三日間にしたのは、自分の生まれた日が25日で平日なんですよ。それでお休みの日でないと出られない方もいらっしゃると思い、23日月曜日が勤労感謝の日で祝日なので、じゃあここから、という感じで三日間になりました。準備は大変ですがとても嬉しいのが、ここ数年一緒にやってくださっている小泉たかしスペシャルバンドの皆さんに加えて、コーラスでMamiが参加してくれることです。退団してから10年近くずっとコーラスをしてくれていた人で、私と声が似ていてとても歌が上手いので、声だけ聞くと「真琴さん歌上手いね」と言われるのですが「それ、もうひとりのMamiの歌だから」(笑)と言ったりしていたんですね。その彼女が結婚して大阪に行って、お子さんも生まれ、しばらくお仕事はお休みしていたのですが「真琴さんがおっしゃるなら是非!」と駆けつけてくれるので、私もとても楽しみにしています。私の声に本当に合うので。
──そうするとまた盛沢山な三日間になりそうですし、少しずつ色を変えるということは、
日替わりコーナーもあるということでしょうか?
そうしたいと思っていて、先日日本武道館で『昭和ゴールデンHits100in Orchestra』に出演させていただきましたが、『MAKOTO セレクト100』というような感じで、事前にリクエストを募って、日替わりのコーナーを作りたいと、今思いました(笑)。まだきちんと固まってはいないのですが、そういう試みも考えています。実現すれば今回のお知らせの最後に掲載されると思います。

この声でやってきて良かったと思えた
──その『昭和ゴールデンHits100in Orchestra』で尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」を歌われましたが、ご自身で選曲されたのですか?
候補のリストがバーッとあって、ほぼ全部知っている曲だったのですが、そこに「また逢う日まで」があったんです。おそらく数年前の私だったら選んでいなかったと思います。レコード大賞受賞曲ですし、あまりにも名曲すぎて勇気がいると。でもそのリストを見た瞬間に「これを歌いたい」と思ったんです。
──それはやはり、ご自身の経験や感じ方の進化ですよね?
曲の捉え方が変わってきたな、というのをこの数年感じていたのですが、この曲も別れの歌、別れる直前の想いを歌っていますが、過去の歌ではなくて、未来への微かな希望も感じました。そこに高度成長期の昭和らしい熱気も感じられて。そんな時代に尾崎紀世彦さんが歌われたことによって、作詞、作曲、歌手の三つがぴったりはまり、伝説的な名曲になったと思っていて、そんな曲が日本全国に巻き起こしたエネルギーを歌いたいと思ったんです。
──とても単純な言い方になってしまいますが、本当にすごい曲ですよね。
ですからもう精一杯やりました。ハードルはすごく高かったのですが、恐れず挑むことができました。周りの方からは女性がこの歌を歌う意外性を感じたとのお声を頂きました。そして友人からは「せめたねー」と。でも初の武道館での歌唱はとても気持ち良かったです。そんな思いにさせてくれたこの曲、また機会があったら歌ってみたいです。
──節目の年にそういう楽曲に巡り合われるのもまたご縁だなと思いますが、真琴さんが退団されて25年ということは、こけら落とし公演を担われた東京宝塚劇場も25周年なんだと思うと大変感慨深いですが、この25年を振り返っていただいて、ご自身のエポックメイキングと言いますか、特に印象に残っていらっしゃることは?
今の私の原点は、先ほどもお話しました退団後にやったLIVEの『LIVE A-Alive-』だと思います。私はショーがとても好きだったので、退団したらまずコンサートがやりたかったんです。その最初の機会が『LIVE A-Alive-』で、もう本当にこれでもか、というくらいやりたいことを詰め込んだんですね。いまにしてよくできたなと思うのですが、そこで私はお客様を楽しませることが本当に好きなんだ、ということと、その私の想いを実現しようとして動いてくれるスタッフや応援してくださるたくさんの方々に支えられているんだと改めて感じました。ですからずっとパフォーマンスをし続けたいと思いました。それと少人数でお客様と近くで触れ合えることもやっていきたい、という気持ちもそのころから強くあって。そこから年月を重ねて、原宿の「ラドンナ」や丸の内「COTTON CLUB」との出会いがあり、いま自分が理想とした空間に立てている気がします。

──そうした年月のなかで、歌に対しての向き合い方に影響を与えた楽曲はありますか?
「愛の讃歌」です。テレビで歌うことになってしまったのですが、2025年1月の放送で、収録は前年の2024年だったんですね。その年はエディット・ピアフさんの生誕110周年、そしてパリのオリンピックのセリーヌ・ディオンさんがエッフェル塔の上で歌われたのと、日本の「愛の讃歌」の元祖である越路吹雪さんが生誕100年を迎えられた1年後、という三つの大きな壁が立ちはだかっていたんです。そこで歌うというプレッシャーがあまりにも大きくて、もう帰りたくて、帰りたくて、マイクを持って歌う直前まで心のなかで「帰りたい!」と思っていたのに、いざ歌いだしたら、自分でこう言うのもどうかな、と思いつつ正直に言うと、歌い出しの自分の歌声にすごく痺れたんですよ。退団してから二十数年、この声でやってきて良かったんだと、自分のなかで思えた瞬間だったんです。あまりにも緊張していて後ろ向きだった気持ちが、かえって何も飾らない自分に戻してくれたんだと思います。
──ある意味後ろ向きだったからこそ、素に戻れたということですよね?
前向きな気持ちってもちろん自分自身を引っ張っていってくれるのですが、意外と自分を見失ってしまう時もあって。でももう帰りたいという気持ちが、自分を取り戻すことにもなったんです。自分の声が自分を落ち着かせてくれるなんて、初めてでした。「また逢う日まで」と同様に恐れずに「愛の讃歌」もずっと歌い続けていきたいと思っています。それに同じ歌でも昨日歌ったのと今日歌ったのでは違う楽しさがあるというのも実感できるようになってきました。
──そう伺うと、三日間の『Birthday Live』も、その日の表現で歌われることが楽しみになりますが、
25周年を迎え、ここから先のビジョンとして、やってみたいことはありますか?
私はひとつのことに特化できない人間なんだということは、これまでの人生でずっと感じていて、ここからの10年も色々なフィールドで、舞台もLIVEもテレビ出演も、ほかの様々な活動も、何かに狭めていくことはなく絶えず何かを追い求めていくんだろうなと思っています。ショーがやりたいという気持ちからはじまった退団後の人生ですが、その時の自分にエネルギーをもらいながらいまでなければ表現できないものをたくさん持って、次の人生の物語を紡いいきたいと思います。
──先ほどのお話のように、今年のLIVEでは選ばなかった曲を、来年は選ばれるかもしれませんね。
そういう意味でもLIVEは一期一会ですし、三つのLIVEで真琴つばさの七変化をお届けしたいと思っています。ミュージシャンと歌い手だけではLIVEは成立しなくて、よく言われることですが、その日のお客様が最後のピースだというのは本当に感じているので、是非、ご一緒に空間創りにいらしてください。お待ちしています!
【取材・文/橘涼香 撮影/吉原朱美】

【公演情報】
★真琴つばさSeasonal Live Vol.1
~海辺と日差しとボサノバと~
【出演】真琴つばさ(Vocal)
川嶋フトシ(Pf)片田孝一郎(Per)沢頭尊志(Gt.)
【公演日】2026年8月1日(土)、2日(日)
1st Stage 開場12:00~/開演13:30~、2nd Stage 開場17:00~/開演18:30~
【会場】LaDonna原宿(東京都渋谷区神宮前4-28-21ハーモニー原宿地下1階)
電話:03-5775-6775
【MUSIC CHARGE】全席指定席/¥10,000(税込)
※別途1ドリンク+1フードのご注文をお願いします。
LaDonna原宿にて発売中!
電話:03-5775-6775
★真琴つばさ Seasonal Live Vol.2
~月夜とJazzとシャンソンと~
【出演】真琴つばさ(Vocal)
三枝伸太郎(Pf)、丹澤誠二(Sax)
【公演日】2026年09月19日(土)、09月20日(日)
1st Stage 開場12:00~/開演13:30~、2nd Stage 開場17:00~/開演18:30~
【会場】LaDonna原宿 (東京都渋谷区神宮前4-28-21 ハーモニー原宿地下1階)
電話:03-5775-6775
【MUSIC CHARGE】全席指定席/¥10,000(税込)
※別途1ドリンク+1フードのご注文をお願いします。
【一般発売日】2026年08月08日(土) 15:00~
LaDonna原宿にて販売
電話:03-5775-6775
★MAKOTO TSUBASA BIRTHDAY LIVE 2026
【出演】真琴つばさ (Vocal)
Mami (cho)、小泉たかし スペシャルバンド
【公演日】
■2026年11月23日(月・祝)
1st Stage 開場 15:00~/開演 16:00、2nd Satge 開場18:00~/開演 19:00~
■2026年11月24日(火)
1st Stage 開場 15:00~/開演 16:00
■2026年11月25日(水)
1st Stage 開場 15:00~/開演 16:00、2nd Satge 開場18:00~/開演 19:00~
【会場】COTTON CLUB(東京都千代田区丸の内2丁目7−3 東京ビルTOKIA 2F)
電話:03-3215-1555
【一般発売日】2026年8月29日(土) 12:00~
※COTTON CLUB予約受付はWebのみ
https://reserve.cottonclubjapan.co.jp/reserve/schedule/exec/5704/#5704
チケットぴあ、楽天チケット
【MUSIC CHARGE】全席指定席/¥13,800(税込)
【問い合わせ】(株)エフ・スピリット
月~金曜日 11:00~18:00まで(祝祭日を除く) 03-3225-5220
MAKOTO TSUBASA BIRTHDAY LIVE 2026(COTTON CLUB)歌唱楽曲リクエスト募集!
2026年11月23日(月・祝)、24日(火)、25日(水)、3日間、
真琴つばさが開催する「MAKOTO TSUBASA Birthday Live」(会場:東京丸の内 COTTON CLUB)で
歌唱する楽曲のリクエストを募集いたします。
応募締切:2026年8月2日(日)
リクエストはこちらから→ https://forms.gle/6LvMf8Ej9FvgDXsz5

皆さまからのたくさんのリクエストをお待ちしております。
















