
©原泰久/集英社・東宝
動乱の中国・春秋戦国時代を描く国民的大人気コミックの舞台化第2弾、『キングダムII─継承─』が、東京→大阪→福岡と続いた、3か月間全63公演を10月13日無事完走。博多座公演10月12日昼の部で、ひと足早く千穐楽を迎えた信役:三浦宏規回、10月13日に信役:高野洸ほか、王騎役:山口祐一郎をはじめとしたカンパニー全員が大千穐楽を迎えた2公演がLIVE配信され、現在アーカイブ配信中だ。そのLIVE配信視聴レポートに加えて、大千穐楽を祝う原作者・原泰久氏からのお祝いコメントが到着。この夏1番熱い舞台と言われた公演の最後の宴が続いている。

【LIVE配信オフィシャルレポート】
熟成と進化を重ね、遂に大千穐楽を迎えた『キングダムII─継承─』LIVE配信レポート!
日々舞台に生き続けることは、ここまで俳優が役を深め、作品を熟成させるものなのか。福岡・博多座で10月13日大千穐楽を迎えた『キングダムII─継承─』で、天下の大将軍を目指す二人の信、三浦宏規(10月12日12時公演)、高野洸(10月13日12時公演・大千穐楽)それぞれが迎えた千穐楽公演のLIVE配信は、そんな感動と拍手と歓声に包まれた輝かしいものだった。
動乱の中国・春秋戦国時代を描き、週刊「ヤングジャンプ」(集英社)での連載20周年を迎えた原泰久の大人気コミック「キングダム」。たった二人の少年が中華統一を目指す大河のごとき物語は、2023年現在は建て替えの為休館中の舞台芸術とエンターテイメントの殿堂・帝国劇場にて初舞台化され、大きな喝采を集めた。今回の『キングダムII─継承
─』はその待望の続編で、8月9日東京建物Brillia HALLで開幕。ミュージカルの、帝国劇場の帝王・山口祐一郎演じる、泰の大将軍・王騎が、戦いのなかで信に「将軍が見る景色」を示し、壮絶な最期を迎える継承のドラマを描いた舞台は、大阪・新歌舞伎座、そして最終地福岡・博多座へと歩みを進めてきた。その様子が全国にLIVE配信されるという嬉しいニュースがもたらされて以来、心待ちにしていたこの日、まず第1回目の配信は三浦宏規の信がひと足早く千穐楽を迎えた10月12日。劇場に何度となく足を運んだ舞台だが、冒頭、羌瘣の山本千尋の激しい息づかいと、必死の表情が映し出された瞬間、一気に心を持っていかれる想いがした。あまりにも速い動きの華麗な殺陣に目を奪われがちの山本の芝居力が大写しになり、その深まりが手に取るように伝わったからだ。


だから三浦信が初登場し、初陣に高揚しながら「俺の名前は信、いつか天下の大将軍になる男だ」との名台詞を名乗った段階で、いくらなんでも早いよ、と思いつつも既に涙目になってしまった。それほど三浦の信は純粋さを失わないまま、精悍な逞しさと、多彩な表現力を増していたのをはじめ、キャストたちが役を生き抜いてきた日々の進化と深化は驚くばかり。更にLIVE配信の良さとして、ひとつの座席、ひとつの角度からでは決して観ることの叶わない、会話を交わすそれぞれの俳優たちの細かな表情変化が見られたかと思うと、想像もしなかったアングルから俳優それぞれの立ち位置が一望に見渡せるなど、なんと12台ものカメラを駆使して映し出される舞台は、新たな発見の連続だ。なかでも今回の舞台『キングダムII─継承─』の核を担う、王騎将軍の山口が、回を重ね、どこか歌舞伎表現を思わせる王騎独特の台詞回しをますます自然に、悠揚迫らぬ大きさを持って演じていることに感嘆させられる。最早至芸だなと感じさせていた騰の石川禅が、山口を見つめる瞳に宿る信頼と互いの絆、三浦に「いいなぁ」と言わしめた、唯一の歌唱場面を持つ摎の大塚千弘との悲恋もアップになってより伝わり、胸が熱くなる。


そんな継承のドラマが遂にクライマックスを迎え、王騎の矛を託された三浦信が、その矛がまだ重すぎると語る言葉と、矛に振り回される表現の身体能力の高さに見惚れているなか、12日の回は終了。


カーテンコールで一人千穐楽を迎えた三浦が挨拶し、スタッフ、オーケストラへの感謝を多く含んだ、心のこもった言葉を様々に紡ぎつつ「王騎将軍の(馬の)前に乗って飛ぶんですけど、一生忘れられない景色だろうな、すごく良い時間でした」と語ったのが印象的。王騎が信に見せた「将軍の見る景色」は、すなわちミュージカルの帝王山口が、新たな時代を担う三浦に見せた景色なのだということが改めて感じられた。

翌13日のLIVE配信は高野洸の信と、カンパニー全員が迎える大千穐楽。前日とは各場面、台詞ごとのカメラの切り替えがハッキリ異なっていて、昨日、ここは観たかったなと思ったところがアップになったり、え、ここでこんな動きが!?と大千穐楽にして更なる発見がまだまだある。特に戦いに次ぐ、戦いのドラマでもある『キングダムII─継承─』では、山田和也の巧な演出で、ここが中心だ、という交通整理はなされているものの、やはり舞台のあらゆる場所で繰り広げられている様々な殺陣のすべてを観ることは難しい。それが、ポンポンと快調に切り替わる映像でテンポ良く映し出されることによって、八面六臂の活躍のアンサンブルメンバーはもちろん、どれほど多くの登場人物たちが同時進行で戦っていたのかがよくわかり、あの熱い舞台がどうできあがっていたのかを、改めて知る思いがした。高野の信が戦いを重ねるごとに冷静さを備え、変化していく様もより鮮明になり、高野の信独自の魅力がますます花開いていると感じさせる。龐煖の章平の造形にも「武神」を名乗るだけの、人の情を超越した趣が加わっているし、持ち前の可憐さのなかに軍師の才を発揮し、凛々しさを増した河了貂の華優希と、『キングダムII─継承─』で初登場した尾平の元木聖也、蒙毅の竹内將人、カイネの森莉那らが更に役を深め、舞台『キングダムIII』への期待も高めてくれる。


そうして、大将軍の背中を見つめ、自身の将来を見据える高野信を微笑んで見つめる山口王騎が大写しになり、ついに大千穐楽公演が終了。

カーテンコールに登場するカンパニー全員の清々しく誇らかな表情が、長い公演が遂に幕を下ろすことを実感させ、高野がまずもらした「終わってしまいましたね」との言葉に共感しきり。

代表して四人の挨拶があり、羌瘣の山本千尋が「殺陣もお芝居もハードでしたが、カンパニーの仲が良くて日々疲れるどころか楽しく過ごさせてもらった」「また羌瘣ができるように頑張りたい」。龐煖の章平はスケジュールの都合で、東京初日がカンパニーの中で最も後だったこともあり「この博多座公演でみんなと並走できた気がする」「自分のカンパニーながらみんなが本当にすごくて感動しながら演じていた」。王騎の山口が「本当に素敵な、大切な思い出がひとつできました」「すべての関係者の皆様に感謝を捧げたい」。そして高野が「本当にみんながカッコよくて、裏を知っているだけにそのすさまじさと、みんなで走り抜けられたことを誇りに思います」「みなさんのカッコいい背中を継承できていたらいいな」とそれぞれの言葉で3か月に渡った公演を締めくくった。




鳴りやまぬカーテンコールの最後にはオーケストラメンバーも舞台に登場。山口の粋なはからいもあり、温かく美しいもので画面がキラキラと輝くのが感じられた。観て良かったと心から思えるLIVE配信だった。

配信はアーカイブ付きで、三浦信の千穐楽は10月26日(月)23:59まで。高野信及びカンパニーの大千穐楽公演は10月27日(火)23:59まで視聴できる。それぞれの挨拶も多岐に渡る長いものだったし、各公演ともにこの3か月で成熟した俳優たちの演技と「ここを見ろ!」と誘導されることによる、新たな感動が満載だ。是非、舞台『キングダムII』の、引いては
演劇界にも通じる継承のドラマを、ひとりでも多くの人に目撃して欲しい。
(文/橘涼香)
『キングダム』作者、原泰久氏大千穐楽お祝いメッセージ
舞台「キングダムⅡ―継承―」
大好評の中、大千穐楽を無事に終えました。
僕は、東京と福岡で3回観劇させて頂きました。
東京の初日を観終えた時、これほど激しいアクションを毎回行って、
無事に63公演終えるのは奇跡では、と心配しました。
しかし、役者の皆様の熱意とプロフェッショナル魂で何と1公演も中止になることなく、
大千穐楽まで見事に完走されました。
本当にお疲れさまでした。
1作目から主役信を演じて下さった三浦さん高野さん、そして王騎を演じて下さった山口さん、
本当にありがとうございました。
王騎から信への継承のシーンは正に息をのむ名シーンで胸が熱くなりました。
役者の皆様、そしてチームの皆様、素敵な作品をありがとうございました。
原 泰久

【LIVE配信概要 アーカイブ配信中】
■舞台『キングダムII -継承-』
■ライブ配信日時
10月12日(月・祝) 午後12:00
10月13日(火) 午後12:00
■見逃し配信日時
アーカイブ配信中 ~ 10月26日(月)午後11:59まで
アーカイブ配信中 ~ 10月27日(火)午後11:59まで
※見逃し配信の視聴可能期間は限られておりますので、ご注意ください。
■出演者
10月12日(月・祝)公演:三浦宏規・山本千尋・章平・華 優希・元木聖也・山口祐一郎ほか
10月13日(火)公演:高野 洸・山本千尋・章平・華 優希・元木聖也・山口祐一郎ほか
■視聴料金
5,500円(税込) + システム利用料:300円(税込)
■販売期間 ※販売期間は予告なく変更になる場合がございます。
10月26日(月) 午後8:00まで
10月27日(火) 午後8:00まで
■販売用URLはこちら
https://www.tohostage.com/kingdom2/stream2.html
【配信公演キャスト】
信 三浦宏規(10月12日昼の部)/高野 洸(10月13日大千穐楽)
羌瘣 山本千尋
龐煖 章平
河了貂 華 優希
尾平 元木聖也
蒙毅 竹内將人
羌象 清水葉月
蒙武 飯作雄太郎
摎 大塚千弘
騰 石川 禅
王騎 山口祐一郎
嬴政(声) 牧島 輝
カイネ 森 莉那
尾到 篠崎大悟
趙荘 保土田 充
明部桃子 飯作雄太郎 内海一弥 奥脇大樹 鹿糠友和 粂川暁典 桜木雅 佐々木駿也 佐藤義夫
寒川祥吾 竹廣隼人 谷颯士 兆平 東川泰千 ドルジ勇大 中内天摩 長嶋拓也 中野高志
中村音心 早川カンナ 藤田 晴 本多剛幸 増田悠那 湊 竜也 森山大志
【スタッフ】
原作 「キングダム」原 泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
脚本 笠浦静花
演出 山田和也
音楽 KOHTA YAMAMOTO
音楽監督・編曲・オーケストレーション 深澤恵梨香
美術 松井るみ
照明 高見和義
音響 山本浩一
映像 栗山聡之
衣裳 中原幸子
ヘアメイク 宮内宏明
アクション 諸鍛冶裕太
演出助手 小貫流星
舞台監督 北條 孝/佐藤 豪
脚本監修 藤沢文翁
キーボードコンダクター・稽古ピアノ 長濱 司
オーケストラ 東宝ミュージック
制作 松本崚汰
アソシエイトプロデューサー 渡邊隆
プロデューサー 尾木晴佳/田中利尚/鵜野悠大郎
製作 東宝
【上演概要】
2026年8月9日(日)~9月13日(日) 【東京】東京建物Brillia HALL
9月21日(月)~29日(火) 【大阪】新歌舞伎座
10月6日(火)~13日(火) 【福岡】博多座
【原作概要】
著者 :原泰久
出版社 :集英社
掲載紙 :週刊ヤングジャンプ(2006年9号〜連載中)
単行本 :既刊80巻※累計発行部数1億2000万部















